お子さまの小学校入学に向けてランドセル選びは重要な課題ですが、お下がりのランドセルがかわいそうだと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは言えない理由があります。
今回は、お下がりのランドセルが決してかわいそうではない理由について考えてみます。
お下がりのランドセルがかわいそうだと言い切れない理由
世の中にはお下がりのランドセルを否定する人もいる一方で、肯定的に捉えている人もたくさんいます。
肯定的に捉える人にどのようなケースがあるかをお伝えします。
大好きな兄弟・姉妹の物を使いたい子もいるから
お子さまにとって、兄姉の持ち物は特別な存在です。
大好きなお兄さんやお姉さんが使っていたランドセルを受け継ぐことは、お子さまにとって誇りに感じることもあり、うれしいことでもあります。
特に、兄弟・姉妹の関係が良好であれば、お下がりのランドセルを譲り受けることで絆が深まることもあるでしょう。
ランドセルの素材によっては、むしろよく見える場合もある
ランドセルの素材として一般的な牛革や、最高級素材であるコードバンなどは、使い込むことで独特の風合いが増し、味わい深くなります。
本革製のランドセルはエイジングによって色や質感が変わり、使い込むことで高級感が漂います。
こうしたランドセルは、新品よりもむしろおしゃれで素敵に見えるでしょう。
そのため、よほどランドセルのコンディションが悪い場合を除き、新品では決して味わえない風合いを好む人も少なからずいます。
2年も経てば新品もお下がりも変わらない
ランドセルは使い始めてから数年経つと、どのランドセルも使用感が出てきます。
新品のランドセルであっても、2年も経てば多少の傷や汚れがつき、使用感が出てきます。
お下がりのランドセルも同様で、初めから多少の使用感があるだけで、新品と大差なく感じるようになります。
それなら最初からお下がりでも良いと考える人はいます。
お下がりをお願いする代わりに別の良いものを与える
お下がりのランドセルを使うことをお願いする代わりに、別の良いものを与えることでバランスを取ることもできます。
例えば、より高級で素晴らしい筆記用具やカバン、お気に入りのキャラクターグッズなどをプレゼントすることで、お子さまの気持ちを満たすことができます。
選択肢を与えることで「自分で選択をした」という満足感も感じられるでしょう。
お下がりのランドセルを使用するメリット
続いてお下がりのランドセルを使用する際のメリットについて考えてみましょう。
メリット①経済的な負担が減る
お下がりのランドセルを使用することで、新しいランドセルを購入する費用を節約できます。
ランドセルは非常に高価なアイテムで、特に高品質なものは数万円から十数万円、時には二十万円を超える場合もあります。
経済的な負担が軽減されることで、その分の資金を他の教育資材や習い事などに回すことができ、家計のバランスを保つ助けとなります。
また、節約したお金をお子さまが希望する別の物に充てることができるため、ご家族の生活全体にとってもメリットがあります。
メリット②兄弟・姉妹の仲が深まる
お下がりのランドセルを使うことで、兄弟や姉妹の絆が深まります。
お兄さんやお姉さんの思い出が詰まったランドセルを譲り受けることは、兄弟仲が良い場合、お子さまにとって特別な意味を持ちます。
それは、単なる物の受け渡しではなく、兄弟・姉妹間のつながりを強くする儀式のようなものです。
ランドセルを使っていたお兄さんやお姉さんの話を聞くことで、新たな学校生活への期待感が生まれ、家族全体のコミュニケーションも増えることでしょう。
これにより、家族の絆が一層深まることが期待されます。
メリット③素材とつくりによっては高級感を感じる
質の良い素材でつくられたランドセルは、使い込むことで独特の風合いが増し、味わい深くなります。
本革製のランドセルは特に、エイジングによって高級感が増し、新品にはない魅力を感じることができます。
長年使い込まれたランドセルは、その時々の思い出や経験が染み込んでおり、その経年変化によって独特の風合いが出ることがあります。
また、クラリーノ®Fなどの高品質な人工皮革もコンディションによっては、使用と共にやわらかく馴染んでくることで、使いやすさと共に特別な魅力を持つようになります。
これにより、ランドセルから感じられる価値が一層高まり、お子さまにとっても自慢できる特別なアイテムとなるでしょう。
お下がりのランドセルを使用するデメリット
お下がりのランドセルを使用する場合、メリットばかりではなく、デメリットもあります。
良い面と悪い面の両方を理解した上で決断することをおすすめします。
デメリット①子どもが不公平感を感じることがある
お下がりのランドセルを使うことで、お子さまが不公平感を感じることがあるかもしれません。
友達が新しいランドセルを持っているのに対して、自分はお下がりということで、少しさみしい気持ちになることがあります。
このような気持ちは、特に学校生活の初期において強く感じられることがあります。
お下がりのランドセルを選択されたご家族としては、お子さまの気持ちを理解し、別の方法で特別であることを伝えるなど、他の部分でのフォローが必要です。
家族からお下がりのランドセルを強制された記憶が、大人になっても忘れないほど印象に残っている人は少なくありません。
デメリット②価値観の違う家庭からの目線が気になる
他の家庭から見た時に、お下がりのランドセルを使っていることが気になる場合もあります。
特に、価値観の違う家庭や学校の友達からの視線が気になることがあります。
お子さまが「新しいものが良い」という風潮の中で過ごすこともありますから、お下がりを使うことが劣っていると感じることがあるかもしれません。
ご家族としては、お下がりのランドセルが持つ特別な価値を家族で共有し、お子さまが自信を持って使えるようにすることが大切です。
デメリット③故障時の修理費
お下がりのランドセルは使用年数が経っているため、故障するリスクが高まります。
修理が必要な場合、その費用がかかることも考慮する必要があります。
通常は6年間の保証が付きますが、7年目からは完全に有償修理である場合がほとんどです。
ランドセルの修理には専門的な技術が必要な場合が多く、思った以上の費用がかかることもあります。
事前に修理の可能性や費用について調べておくと、突然の出費に備えることができます。
また、購入前にランドセルの状態をよく確認し、必要に応じてメンテナンスを行うことも重要です。
子どもの意見も尊重し一緒に決める
ランドセル選びはご家族だけで決めるのではなく、お子さまの意見も尊重しましょう。
お子さま自身が使うものですから、彼らの希望や気持ちを大切にすることが重要です。
お下がりのランドセルを使うかどうか、一緒に話し合い、納得のいく選択をすることで、お子さまの満足度も高まります。
まとめ
お下がりのランドセルは必ずしもかわいそうな選択肢ではありません。
兄弟・姉妹の絆が深まることや経済的な負担が減ること、高級感が増すことなど、多くのメリットがあります。
しかし、デメリットも理解し、お子さまの意見を尊重して決めることが大切です。
最終的には、お子さまにとって最良の選択をすることで、素晴らしい小学校生活を送ることができるでしょう。