>>2026年4月ご入学者さま向けランドセルカタログ請求受付中

コードバン素材のつくり方とは?皮の採取からなめし、染色まで

世界にはさまざまな種類の革が存在し、それぞれに特徴があり、使い方や希少性などはさまざまです。

その中でも特に人気が高い革の一つがコードバン。

高級感と耐久性を兼ね備えたコードバン素材の製品は、ひと目で違いのわかる見た目の美しさだけでなく、使い込むほどに味わいが増す点でも魅力的です。

今回は、コードバンがどのようにつくられるのか、皮の採取からなめし、染色までの工程を詳しくご紹介します。

コードバンのランドセルの納期が長くなる理由や、製造過程のこだわりについて理解を深めていただければ幸いです。

目次

コードバンのランドセルの納期が長くなる理由

コードバンのランドセルが一般的な革製品と比べて納期が長くなる理由は、その製造過程の複雑さと時間のかかる工程にあります。

コードバンは馬の臀部の革を使用しており、限られた量しか採取できません。

このため、一つのランドセルに使用されるコードバンの量は非常に少なく、手間暇かけて丁寧に仕上げる必要があります。

また、コードバン特有の光沢と硬さを保つための特殊な処理が必要となるため、製造に時間がかかるのです。

コードバンなど馬革は10か月以上かけてつくられるため

コードバンをはじめとする馬革製品は、製造に10か月以上の時間を要します。

その理由は、コードバンの高品質を維持するために細かい工程を一つ一つ丁寧に行う必要があるからです。

特に、なめしや染色の工程では、革の自然な風合いを損なわないように慎重に作業を進めます。

このような手間をかけることで、耐久性と美しさを兼ね備えた高品質なコードバン製品が完成するのです。

コードバンができるまで

コードバンが完成するまでには、多くの工程があり、それぞれが重要な役割を果たしています。

以下に、その主な工程を詳しく見ていきましょう。

塩漬けにされた原皮が輸入される

コードバンの製造は、まず原皮の輸入から始まります。

馬の臀部から採取された原皮は、すぐに塩漬けや冷凍の状態にされ、保存状態を保ちながら輸送されます。

塩漬けは、革を乾燥させる前の重要なステップであり、革の品質を保つために欠かせません。

原皮を薬液に浸ける

輸入された原皮は、次に薬液に浸けられます。

この薬液処理は、毛を溶かすだけでなく革をやわらかくし、なめしや染色の準備を整えるために行われます。

薬液に浸けることで、革の繊維がやわらかくなり、後の加工がしやすくなります。

なめし作業を行う

薬液処理が終わった原皮は、なめし作業に移ります。

なめしとは、革を柔軟にし耐久性を高めるための工程です。

コードバンの場合、特に厳選されたなめし方法が用いられます。

希少な部位ですから、とても高い技術が求められるのです。

コードバンはタンニンなめし

コードバンは主にタンニンなめしと呼ばれる方法でなめされます。

タンニンなめしは、植物由来のタンニンを使用して革を処理する方法で、革に自然な色合いと柔軟性を与えます。

この方法は、革の耐久性を高めると同時に、自然な風合いを保つことができます。

【小話】ホースハイドはクロムなめし

ホースハイド(馬の後ろ足の革)は、クロムなめしという別の方法でもなめされることがあります。

クロムなめしは、革をやわらかくするためにクロム塩を使用する方法で、短期間でなめしが完了します。

しかし、環境への影響や革の特性を考えると、タンニンなめしがより一般的です。

機械で水を絞り、革を均一に伸ばす

なめしが完了した革は、次に機械で水を絞り、革を均一に伸ばす工程に移ります。

これにより、革の厚みが均一になり、後の加工がしやすくなります。

均一な厚みは、製品の品質を高めるために非常に重要です。

自然乾燥を行う

機械で水を絞った後、革は自然乾燥されます。

自然乾燥は、革にダメージを与えずに乾燥させるための重要な工程です。

直射日光を避け、風通しの良い場所でゆっくりと乾燥させることで、革の自然な風合いが保たれます。

コードバン素材の乾燥工程では、独特の乾燥風景が見られます。

寝かせてタンニンをなじませる

乾燥後の革は、寝かせてタンニンをなじませる時間が必要です。

この工程で、革をゆっくりと休ませることで、タンニンが革全体に均一に浸透します。

これにより、革の色合いや質感が安定し、素材としての完成度が高まります。

コードバン層を削り出す

寝かせた革から、コードバン層を丁寧に削り出します。

コードバン層は革の中でも特に高品質な部分であり、この部分を選び抜いて製品に使用します。

削り出す作業は非常に細かく、熟練した技術が求められます。

トリミングする

削り出したコードバン層は、次にトリミングされます。

トリミングとは、革の余分な部分を取り除き、製品の形に整える工程です。

正確なトリミングが、製品の美しさと機能性を高めます。

グレージングで艶出しを行う

トリミング後、グレージングという艶出しの工程が行われます。

グレージングは、革の表面に特殊な仕上げを施し、光沢を出す方法です。

これにより、コードバン特有の美しい光沢が引き立ちます。

染色をする

最後に、革に色を付ける染色の工程が行われます。

染色は、コードバン製品の美しさを完成させる重要な工程です。

染料は革に均一に浸透し、深みのある色合いを実現します。

染色後は、再度乾燥とケアを行い、製品としての完成度を高めます。

ランドセルに使えるコードバンはほんの数パーセント

コードバンは非常に高価で希少な素材であるため、ランドセルに使用できるコードバンは全体のほんの数パーセントに過ぎません。

高品質なコードバンを使用するためには、多くの原皮から厳選された部分だけが採取されます。

このため、コードバン製品は一般的な革製品よりも高価になる傾向があります。

しかし、その分耐久性と美しさに優れており、一生もののアイテムとして長く愛用することができます。

このようなコードバンのランドセルをお子さまに買い与えることは最上級の愛情の表現ともなるでしょう。

まとめ

コードバン素材のランドセルは、その高級感と耐久性から多くのご家族に選ばれています。

しかし、コードバン素材ができるまでの製造過程は非常に時間と手間がかかります。

縫製工程の前段階である「なめし工程」から、すべてが職人の技術を要する手作業のため、納期が長くなることが多いです。

皮の採取からなめし、染色までの複雑な工程を経てつくられるコードバン製品は、まさに職人の技が光る逸品です。

コードバンの特性とそれ故の希少さ理解し、お手元に届くのをぜひ楽しみにお待ちください。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次