「ランドセルって、いつからあるんだろう?」
「最初に使ったのは、どこの国の子どもたちだったのかな?」
春になると、ピカピカのランドセルを背負った新一年生の姿が、街を明るく彩りますよね。
毎日当たり前のように目にしているランドセルですが、その「はじまり」について、じっくり考えたことはありますか。
あの独特の形、そして日本の小学生の象徴とも言える存在感。
一体、どんな物語を経て、私たちのそばにあるのでしょうか。
私たち黒川鞄も、創業から長きにわたり、ランドセルと共に歩んできました。
だからこそ、そのルーツや歴史には、ひとかたならぬ想いがあるんです。
この記事では、ランドセルがどこで生まれ、どんな風に日本の小学生の頼もしい相棒になっていったのか、そのちょっぴり意外で、そしてとっても面白い「発祥ものがたり」を、皆さんと一緒に紐解いていきたいと思います。
これを読めば、何気なく見ていたランドセルが、なんだか特別な宝物のように見えてくるかもしれませんよ。
ランドセルって、もともとどこの国のもの?気になるルーツと発祥の地

「ランドセル」というカタカナの名前からして、なんだか外国の香りがしますよね。
でも、あの独特の箱型のカバンって、本当に海外生まれなんでしょうか?
まずは、気になるそのルーツを探ってみましょう。
「ランドセル」という言葉の故郷はオランダだけど・・・カバンの発祥も同じなの?
以前の記事でも少し触れましたが、「ランドセル」という言葉は、オランダ語の「ランセル(ransel)」、つまり兵隊さんなどが使う背負いカバンが語源だと言われています。
江戸時代にオランダとの交流があった日本に、この言葉が入ってきたんですね。
「じゃあ、ランドセルっていうカバンそのものもオランダ生まれなの?」と思うかもしれませんが、実は話はそう単純でもないようなんです。
言葉のルーツはオランダにあるけれど、今の日本の小学生が使っているような「箱型のしっかりとした革製の通学カバン」としてのランドセルの直接的な発祥は、実は日本である、という見方が一般的なんですよ。
なんだか、ちょっとミステリアスで面白いですよね。
日本でランドセルが使われ始めた「きっかけ」は、ちょっぴり意外なところから?
では、日本でどうしてあのような形のカバンが、小学生の通学カバンとして使われ始めたのでしょうか。
その「きっかけ」は、実は明治時代にまで遡ります。
当時、日本は西洋の文化をどんどん取り入れて、国全体が大きく変わろうとしていた時代でした。
そんな中で、教育制度も新しく整えられていきました。
その大きな流れの中で、ある「出来事」や「場所」が、日本のランドセルの誕生に深く関わってくることになるんです。
それは一体…?
次の章で、詳しく見ていきましょう!

ランドセルの名前の由来と、カバンそのものの発祥の地が違うなんて、面白いですね!どんな物語があるのでしょうか。
日本におけるランドセルの歴史ものがたり


さあ、いよいよ日本のランドセルの歴史の扉を開けてみましょう。
そこには、私たちが「へぇ~!」と驚くようなエピソードが隠されていました。
「学習院」が日本のランドセルのスタート地点ってホント?
日本のランドセルの歴史を語る上で、絶対に外せないのが「学習院」の存在です。
明治10年(1877年)、皇族や華族の子弟が学ぶための学校として開校した学習院。
ここで、生徒たちの通学カバンとして、あるものが採用されました。
それが、軍隊で使われていた「背嚢(はいのう)」に似た形の、布製のカバンだったと言われています。
これが、日本の学童用通学カバンとしての「ランドセル」の原型、あるいはご先祖さまの一つと考えられているんです。
最初は布製で、もっとシンプルな形だったようですが、ここから日本のランドセルの物語が本格的にスタートしたんですね。
なんだか、歴史の教科書の1ページを見ているみたいで、ドキドキします!
昔は「背嚢(はいのう)」と呼ばれてた?ランドセルのご先祖さまの姿
「背嚢(はいのう)」って、あまり聞き慣れない言葉ですよね。
これは、兵士が背中に荷物を入れて運ぶための袋状のカバンのこと。
まさに、オランダ語の「ランセル」が指していたものとイメージが重なります。
学習院で最初に使われたカバンも、この「背嚢」に近いものだったと考えられています。
それが時代と共に、子どもたちが教科書などを入れやすいように、また、より丈夫で長持ちするようにと、少しずつ改良が加えられていきました。
素材も布から革へと変わり、形も今のランドセルのようなしっかりとした箱型へと進化していったのです。
私たち黒川鞄のようなランドセル工房も、そうした歴史の中で、より良いランドセルを目指して、たくさんの工夫を凝らしてきたんですよ。
まさか軍用カバンが小学生のバッグに?その驚きの由来とは
「えっ、じゃあランドセルって、元々は軍隊のカバンだったの?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。
そうなんです。
直接的ではないにしても、そのルーツを辿っていくと、軍隊で使われていた背負いカバンに行き着く、というのはなかなか興味深い話ですよね。
でも、考えてみれば、兵士が使うカバンは、丈夫で、たくさんの荷物が入って、しかも両手を自由に使えるように背負える、という機能性が求められます。
これって、小学生が毎日教科書やノートを運ぶためのカバンに求められる条件と、どこか似ていると思いませんか。
もしかしたら、そんな実用的な面も、ランドセルが日本の小学校で広く受け入れられていった理由の一つなのかもしれませんね。



学習院から始まったランドセルの歴史、そして軍用カバンとの意外なつながり。知れば知るほど面白いですね!
日本の小学生の象徴「ランドセル」は、世界的に見ると特別なの?


今ではすっかり日本の小学校の風物詩となっているランドセル。
でも、この光景って、世界的に見ると実はとってもユニークだって、ご存知でしたか?
海外にもランドセルみたいな通学カバンってあるのかな?
「ランドセル」という名前のルーツはオランダにあるけれど、日本の小学生が使っているような、あの独特の箱型で、しかも6年間同じものを使い続けるという文化は、世界的に見てもかなり珍しいんです。
海外の多くの国では、もっと自由なスタイルのリュックサックやショルダーバッグなどで通学している子どもたちがほとんど。
色も形も本当に様々で、その時々の好みや荷物の量に合わせて、気軽に買い替えることも多いようです。
もちろん、それぞれの国の文化や教育方針によって、通学カバンに対する考え方も違うんですね。
なぜ日本のランドセルは、こんなに長く愛され続けているんだろう?
では、どうして日本では、この「ランドセル」というスタイルが、これほどまでに長く、そして広く愛され続けているのでしょうか。
そこには、いくつかの理由が考えられそうです。
- 丈夫で長持ちする機能性 6年間という長い期間、毎日の使用に耐えうるしっかりとした作り。
- 子どもたちの安全への配慮 反射材が付いていたり、転んだ時にクッションになったり。
- 「小学生らしさ」という象徴性 新一年生の証であり、成長のシンボル。
- モノを大切にする心 一つのものを長く使い続けるという、日本の美しい文化。
そして何より、そこには、お子さまの健やかな成長を願う、親御さんや、私たちのような作り手の愛情がたくさん詰まっているからなのかもしれませんね。



日本のランドセル文化、本当に奥が深いですね。6年間使い続けることの意味を改めて感じます。
私たち黒川鞄も、その愛情を形にするお手伝いができていることを、心から誇りに思っています。
ランドセルの「はじまり」の物語、いかがでしたでしょうか。
何気なく見ていたランドセルにも、こんなに長い歴史と、たくさんの人々の想いが込められているんだな、と少しでも感じていただけたら嬉しいです。
お子さまがこれから背負うランドセル。
その背景にある物語を知ることで、親子の会話がまた一つ増えたり、ランドセル選びがもっともっと楽しく、そして意義深いものになったりするかもしれませんね。