「子どものランドセルの肩ベルトに、防犯ブザーやキーホルダーを付けるフックがなくて不便…」そう感じて、フックの後付けを検討する保護者様が増えています。
様々なタイプの後付けフックがあり、ご家庭で簡単に取り付けられるものも多いです。
この記事では、安全なフックの選び方から、工房として推奨する取り付け方法、そして注意点までを徹底解説します。
【結論】フックの後付けは可能!ただし「何を」「どこに」付けるかが最重要
先に結論をお伝えすると、ランドセルへのフック後付けは可能です。
しかし、取り付けるフックの種類と場所を間違えると、ランドセルを傷つけたり、お子様が怪我をする原因になったりする可能性があります。
安全性を第一に考え、正しい知識でカスタマイズしましょう。
ご家庭で安全にできる!ランドセルフックの後付け方法3選
ランドセル本体を傷つけることなく、ご家庭で安全に取り付けられる後付けフックをご紹介します。
方法①:ベルトに通すだけの「ストラップ式フック」

肩ベルトにストラップを巻きつけたり、通したりして固定するタイプです。
ランドセルを一切傷つけず、様々な太さのベルトに対応できるのが最大のメリット。
100円ショップなどでも手軽に購入できます。
方法②:巻きつけるだけの「面ファスナー式フック」

マジックテープ®(面ファスナー)で、肩ベルトなどに巻きつけて固定するタイプです。
しっかりと固定でき、ズレにくいのがメリット。ベビーカー用フックなどが代用品として人気です。
【一目でわかる】Dカン・ナスカン・後付けフックの違い
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Dカン | D字型の金属パーツ | 非常に頑丈 | 専門業者による取り付けが必要 |
ナスカン | 開閉できるフック付き金具 | 物の付け外しが簡単 | 一定以上の力がかかると壊れる安全設計 |
後付けフック | ストラップやクリップ式 | 自分で簡単に取り付け可能 | 本格的な金具よりは強度が低い |
【専門家の視点】Dカンやナスカンの「本格的な後付け」は推奨しません
「もっと丈夫な金具を付けたい」と、Dカンやナスカンをネジやカシメで取り付けることを検討する方もいらっしゃいます。
しかし、私たちランドセル工房としては、以下の理由からご家庭での本格的な金具の後付けは推奨しておりません。
非推奨の理由①:ランドセル本体を傷つけ、保証の対象外になる
肩ベルトに穴を開けてしまうと、そこから裂け目が生じたり、雨水が浸入したりする原因となり、ランドセルの寿命を大きく縮めてしまいます。
また、お客様自身による改造は、メーカーの6年間保証の対象外となってしまうのが一般的です。
非推奨の理由②:お子様の怪我に繋がるリスクがある
後付けした金具が、転んだ時などに体に当たって怪我をする可能性があります。
メーカー純正の金具は、安全な位置や、万が一の際に外れる安全な構造を計算して設計されています。
ランドセルの肩ベルトにDカン後付をするならメーカーや専門の業者に依頼する
ランドセルのDカン後付けは専門業者に依頼した方が安心です。
特に、取り付けに不安がある場合やランドセル自体に手を加える必要がある場合は、プロに相談することで、安全かつ確実に取り付けられます。
自分で取り付ける場合は、レザークラフトの工具と知識、技術が必要となるためあまり現実的ではありません。
まずは、購入したメーカーに確認することをおすすめします。

専門業者に依頼することで、安心してリメイクを任せられます。
ランドセルの素材や構造が複雑
最近のランドセルは耐久性が強化されており、特殊な素材や分厚い構造になっているものが増えています。
こうしたランドセルに無理にDカンを取り付けようとすると、素材が傷ついたり、うまく固定できないことがあります。
素材や構造が複雑な場合は、ランドセルの専門店や修理業者に相談するのがおすすめです。
プロの道具や技術を活かせば、仕上がりもきれいで安心です。



複雑なランドセルにも適切に対応できる専門業者を選びましょう。
ご家族での取り付けでは壊してしまう場合も
もし、「やってみたいけれど、失敗してしまうかも」と不安を感じる場合は、無理にご自身で取り付けようとせず、業者に任せるのが得策です。
特に初めてランドセルのパーツを後付けする場合は、プロにお願いすることで、ご家族の皆さまも安心してお子さまに使わせてあげられるでしょう。
もし壊してしまった場合、修理費が余計にかかってしまうリスクもあります。



失敗を避けるためにも、専門業者への依頼をおすすめします。
その他のパーツや補強が必要な場合がある
Dカンの取り付けにあたって、ナスカンやフック、補強パーツを追加する場合も、業者に依頼する方がしっかりと固定でき、安全性も確保できます。
特に、複数のパーツを取り付ける際には、ランドセル全体のバランスや強度を確認しながら設置する必要があるため、プロのサポートを受けることでより長く安心して使えるランドセルにカスタマイズできます。
ランドセルの肩ベルトに付けるDカン・ナスカン・フックの違いと選び方


ランドセルの肩ベルトに取り付けられるパーツには、Dカン以外にも「ナスカン」や「フック」などがあります。
それぞれの違いを知ることで、よりお子さまの使いやすさに合った選択ができるようになります。
ここでは、これらのパーツの特徴や、どのような場合に適しているのかを詳しくご紹介します。
お子さまの使い勝手や安全性に配慮しながら選ぶ際の参考にしてくださいね。
Dカンの特徴と用途
Dカンは、その形状が「D」の形をしているのが特徴で、しっかりとベルトに固定できるため、重みがかかっても外れにくい構造です。
防犯ブザーやお守りなど、頻繁に使うけれど失くしたくないアイテムを掛けるのに最適です。
また、必要に応じて小さな袋なども固定できるので、通学中のお子さまにとっても便利です。



Dカンは、堅牢で多用途に使用できるパーツとしておすすめです。
ナスカンの特徴と用途


ナスカンは、カンが可動する構造になっているため、簡単に取り外しができるのがポイントです。
頻繁に付け外しをするアイテムや、帰宅後に取り外して保管したいもの(給食袋や水筒など)をかけるのに適しています。
Dカンに比べて、柔軟に使い分けたい場合に便利です。
フックの特徴と用途
フックタイプは、折りたたみ傘や水筒など、取り外しを頻繁に行うアイテムの固定に適しています。
お子さまが片手で簡単に引っ掛けられるため、通学途中でのちょっとした手間が省けます。
フックタイプは比較的軽い物を掛けることに向いているため、重さには注意が必要です。
ランドセルの肩ベルトの「外し方」と取り付けの注意点
ランドセルの肩ベルトをカスタマイズしたり、清掃やメンテナンスをしたい場合、肩ベルトの「外し方」と「取り付け方」を知っておくと便利です。
ご家族の皆さまが簡単に行えるよう、ランドセルを傷めない外し方や、取り付け時の注意点をわかりやすくご紹介します。
ランドセルの肩ベルトの外し方の基本
多くのランドセルは、肩ベルトがしっかり固定されていますが、外せる設計である場合のみ外すことが可能です。
最初にベルトの根元部分にある着脱ボタンや固定ネジを確認し、ボタンを押すかドライバーを使ってゆっくりとネジを外します。
外した肩ベルトは引っ張らず、ゆっくりと外すと傷つきにくくなります。
肩ベルトを外した後は、汚れやシワを確認しておくと良いでしょう。
なお、肩ベルトは固定されているため外すことができないランドセルは多いので注意してください。
肩ベルトを取り付ける際のポイント
肩ベルトを取り付ける際は、元の位置にしっかりと戻すことが重要です。
取り付けがゆるいとお子さまの肩に負担がかかるため、固定具がきちんと締まっているか確認します。
特に、通学中に重さがかかる部分でもあるため、取り付け具のゆるみがないようしっかりと締めましょう。
再取り付け後は、一度軽く引っ張ってみて安定しているか確認すると安心です。



取り付け後の確認を怠らず、安全に使用できるようにしましょう。
外した後のメンテナンスでランドセルを長持ちさせる
肩ベルトを外した後、普段届かない部分の汚れを拭き取ったり、レザークリームなどを使ってランドセルを保護するのもおすすめです。
本革製のランドセルの場合は、専用のクリームでお手入れをすると、革の質感が保たれ、より長持ちします。
こうしたメンテナンスを行うことで、お子さまが6年間大切に使えるランドセルになります。
フックの追加だけでなく、肩への負担を軽減する「肩パッド」の追加も、お子様の快適な通学に繋がります。あわせてご検討ください。
まとめ


ランドセルの肩ベルトにDカンなどを後付けすることで、防犯ブザーや小物を便利に取り付けられ、お子さまの通学がより快適になります。
Dカンの取り付けはご家庭でも可能ですが、知識が必要なため慎重に行うことが大切です。
肩ベルトにはDカン以外にもナスカンやフックなど便利なアイテムがあり、お子さまの使い方に合ったパーツを選ぶとより便利です。
手づくりの肩ベルトカバーは、やわらかく通気性のある素材を使用することで肩への負担を減らし、快適に使用できるのでおすすめです。
専門業者に相談することで、難しい取り付けやランドセルの保証が心配な場合も安心してカスタマイズを行うことができます。
ランドセルにフックを後付けする一番簡単な方法は何ですか?
肩ベルトにストラップを巻きつけたり、通したりするだけの「ストラップ式フック」が最も簡単でおすすめです。ランドセルを一切傷つけることなく、誰でも数分で取り付けが可能です。
後付けフックは100均(ダイソー・セリアなど)でも買えますか?
はい、購入できます。ベビーカー用のフックや、荷物まとめ用のストラップなどが「後付けフック」として代用できると人気です。ただし、耐久性や安全性はランドセル専用品に劣る場合があるため、重いものをぶら下げるのは避けましょう。
防犯ブザーはどこに付けるのがおすすめですか?
お子様が利き手ですぐに引ける側の肩ベルトに付けるのが理想的です。今回ご紹介したような後付けフックを利用して、お子様が一番使いやすい高さに設置してあげてください。